妊娠中のツライむくみ!おすすめの解消方法とむくみ対策の調理のコツ!

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妊娠中は、お腹もどんどん大きくなって来て思うように動けませんし、むくみも普段より辛い方が増えます。そこで今回は、どうして妊娠中はむくみが辛いのかという原因とおすすめのむくみ解消方法、むくみを減らすための妊娠中の調理のコツについて、実際の体験談を交えてご紹介したいと思います。

妊娠中にむくみがひどくなる原因は?

妊婦さんの悩みの一つである「妊娠中のむくみ」ですが、どうしてむくみが起こるのでしょうか。

実は、妊婦さんにむくみが起こるのは、妊娠すると、お腹の中の赤ちゃんに胎盤を通じて栄養を運ぶためなのです。赤ちゃんに栄養を届けるために母体の血液量(血液中の水分=血漿)が20〜30%増加します。

血液量が増加すると、腎臓が働いても追いつかなくなります。これがむくみの原因の一つです。また、妊娠するとエストロゲンというホルモンが増加しますが、このホルモンの作用で水分がたまり、下半身の血流が心臓に戻りにくくなり、むくみが起きてしまうのです。

むくみを侮るなかれ!そのむくみ、妊娠高血圧症候群の前兆かも?

むくみの原因でもご紹介しましたが、妊婦さんなら程度の差はあれ、誰しも生理現象としてむくみが起こります。しかし、むくみでも「許容範囲であるむくみ」と「要注意のむくみ」があります。「要注意のむくみ」は、妊娠高血圧症候群の前兆の場合があるのです。

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降に発現し、産後6週までに消失する疾患です。妊婦さんの約5〜10%に起こり、尿検査での尿タンパク(+)や、高血圧(140/90以上)で診断されます。また、重症化すると、母体死亡や胎児死亡のなどのリスクを増大させてしまいます[1]

食べ過ぎているわけではないのに、体重が増加していることや、おしっこの量が極端に減ることで自覚する方もいますが、体の異変に気づかず重症化する場合もあるので注意を要します。妊娠高血圧症候群を予防するには、妊娠中に体重を増やしすぎないように、塩分控えめな食事内容を心がけ、休養をとり、ストレスをためないようにする必要があります。

では、塩分はどの程度控えれば良いのでしょうか。

一般的な成人の場合、1日の食塩摂取量の目安は10g以下が推奨されています。また、高血圧治療ガイドラインでは高血圧治療をされている方の1日の目安摂取量は6g以下が望ましいとされています。妊娠高血圧症候群のリスクがあると診断された妊婦さんは、1日の食塩摂取量の目標が7〜8g以下に定められています[2]

ハイリスク妊婦さんではない妊婦さんでも、食べ過ぎたり塩分を摂りすぎたりすると、むくみが酷くなり、妊娠高血圧症候群のリスクも高まります。しかし、妊婦さんの元々の体型(体重、BMIなど)にもよりますし、極端な塩分制限を急に開始すると、胎児の発育や母体の健康を損なう恐れもあります。それに、むくみは、生理現象で、全てが危険なむくみではありません。ですから、普通の妊婦さんは、一般的な目数値である1日10g以下を目安にするのが良いのではないでしょうか[3]

ちなみに、むくみが辛いからと水分補給を減らすと、お腹の赤ちゃんに十分な酸素や栄養が届きません。水分補給はしっかりとするようにしましょう。

大事なのは塩分控えめ!ちょっとした調理のコツで「むくみ対策」!

むくみ対策というと、着圧ソックスや、冷え改善、適度な運動、足を上に向けるなど、いろいろな方法が挙げられると思います。しかし、やはり最も重要なことは「塩分制限」です。

そこで、私の体験談になりますが、実際に二人目妊娠中に私が実践した塩分を控えるための調理方法のコツをご紹介します。

◇醤油をポン酢に変える

妊娠すると、洋食より和食の方が体に優しく良いだろうと和食にしがちですが、実は和食には落とし穴があります。和食でよく使われる調味料といえば醤油です。これが落とし穴なのです。実は、醤油は塩分濃度が非常に高く16〜17%もあるのです[4]。海水の塩分濃度は約3.5%ですので、いかに醤油の塩分が高いかイメージしていただけると思います。しかも、醤油の中でも、「うすくち(淡口)醤油」が18〜19%と一番塩分濃度が高いので「うすくち」という言葉に惑わされないように注意しましょう。醤油をポン酢に変えるだけで塩分濃度が約半分になります。ポン酢が苦手だという方は、醤油をポン酢やだし汁で割って食べるでも塩分が半分以下になるのでおすすめですよ。

◇調味料は「直接かけずにつける」

料理は、家族全員分を一度に作る方が多いと思います。フライパンや鍋に塩•コショウ、みりん、酒、醤油などをどんどん入れていきますよね。そのような調理法を見直し、例えば生姜焼きであればコショウだけで味付けし、自分が食べる分だけを別にお皿にとり、残りを家族の分として引き続き調理します。自分の食べる分は、ポン酢を小皿にとって、つけて食べるようにすると、料理の上に直接かけるよりも、塩分を半分以下に抑える事ができますよ。

◇みそ汁はやめる

味噌は発酵食品で体に良いイメージがありますよね。しかし、味噌の塩分濃度は12%と塩分の多い食品でもあるのです。もともと汁物は塩分が多いので、ラーメンのスープやうどんのつゆを全て飲む方はあまりおられませんよね。同様にみそ汁も、思い切ってやめてしまうか、具だけを食べるようにしましょう。

まとめ

むくみというと、たいした事はないと思われる方が多いでしょうが、妊娠中のむくみはサインかもしれません。今回は塩分を控える食事をご紹介しましたが、「要注意のむくみ」を回避するためにも、適度な運動や冷えの改善なども合わせて行うとよりむくみ予防につながりますよ。


[1]メルクマニュアル「妊娠中の高血圧」より( http://merckmanual.jp/mmpej/sec18/ch261/ch261i.html?qt=妊娠%20高血圧%20症候群%20妊娠%20高血圧%20症候群%20&alt=sh
[2]
日本妊娠高血圧学会HPよりQ13参考(http://jsshp.umin.jp/i_9-qa_use.html#Q13
[3]
日本妊娠高血圧学会HPよりQ12を参考 (http://jsshp.umin.jp/i_9-qa_use.html#Q12
[4]
参考引用元「醤油の塩分濃度」(http://www.s-shoyu.com/know/qa/nacl.html

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